a本記事では、国家資格である『エネルギー管理士』を取得する手段の一つである、
『エネルギー管理研修』について、修了試験は何点から不合格になるのか。
また研修の概要等を実際に受講したことのある筆者が考察していきます。
エネルギー管理研修とは?
エネルギー管理研修は、国家資格である『エネルギー管理士』を取得する手法の一つとなります。(※後でも記載しますが、この研修を受けても必ず取得できるわけではありません)
また、一定の経験年数がないと研修を受けることができません。(詳細は後で記載します。)
研修の大枠としては、6日間の研修を受講し、7日目に修了試験(4課目)を受け、各課目が合格水準の点数であれば、エネルギー管理免状を取得できるものです。
それでは、カリキュラムや受講費用等を細かく紹介していきます。
エネルギー管理研修の費用
費用としては、7万円(非課税)となります。
もし、4課目取れずに落ちてしまった場合でも、修了試験にて合格した課目を除く、未修了課目だけ受ける形で再度受けることもできます。
その場合の費用は5万円(非課税)となります。
エネルギー管理研修の受験資格
エネルギー管理研修は誰でも受けれるわけではありません。
一定の実務経験を3年以上備えた人でないと受講することはできません。
実務経験は熱分野で言えば、燃料の燃焼に関する計測及び記録、燃料設備の保守及び点検等があり、詳細は下記の省エネルギーセンターのサイトに記載されているのでご確認下さい。
エネルギー管理研修の内容やカリキュラム
熱分野になりますが、実際に受けた際のカリキュラムは下記の通りです。
6日間でⅠ〜Ⅳの課目を勉強していきます。
2023年度(第46回)から講義方式が変わり、全て流された映像を見る方式となっており、質問についてはできない状態となっております。
そして、7日目に修了試験を受け、受かればエネルギー管理研修の修了者となります。(エネルギー管理士の取得資格を得たこととなる。)
エネルギー管理研修の修了試験内容。合格率は?
研修7日目に実施される修了試験の内容を紹介します。
この修了試験で点数が取れるかが、資格を取得できるかを分けます。
それでは、筆者が受講したのが熱分野のため、熱分野よりの内容になりますが、修了試験の内容を紹介していきます。
修了試験の内容
修了試験の内容は、若干緩和されている点はあるものの、エネルギー管理士の資格試験と同等です。
修了試験は下記の内容にて、1日で行われます。
修了試験課目 | 修了試験課目内容 | |
1時限 (80分) 9:30~10:50 |
Ⅰエネルギー総合管理及び法規 | ・エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法規及び命令 ・エネルギー情勢・政策、エネルギー概論 ・エネルギー管理技術の基礎 |
2時限 (90分) 11:20~12:50 |
Ⅳ熱利用設備及びその管理 | ・計測及び制御 ・ボイラ、蒸気輸送・貯蔵装置、蒸気原動機・内燃機関・ガスタービン【以下から1課目を選択】 ・熱交換器・熱回収装置 ・冷凍・空気調和設備 ・工業炉、熱設備材料 ・蒸留・蒸発・濃縮装置、乾燥装置、乾留・ガス化装置 |
3時限 (110分) 13:50~15:40 |
Ⅱ熱と流体の流れの基礎 | ・熱力学の基礎 ・流体工学の基礎 ・伝熱工学の基礎 |
4時限 (80分) 16:10~17:30 |
Ⅲ燃料と燃焼 | ・燃料及び燃焼管理 ・燃焼計算 |
なお、2023年度から、修了試験の方式も変わっておりますので、今後受けられる方は、参考にして下さい。
資格試験と比べて緩和されている点
選択する分野(熱分野で言えば、課目Ⅳの熱利用設備及びその管理)がありますが、資格試験では2分野を選択するのに対し、研修では1分野のみの選択で良いです。
つまりは、資格試験では2分野勉強する必要があるのに対し、1分野の勉強で済むということで、少し緩和されていると言えます。
修了試験の方式の変化(2023年度〜)
2022年度までは全て記述式の修了試験でしたが、2023年度からは全てマークシート式となります。
2022年度までの記述式では、計算問題の途中式で加点があったようですが、2023年度からのマークシート式では、途中式の回答箇所はありませんので、その面では難しくなっていると言えます。
修了試験の出題傾向
あくまで個人的な見解となりますが、出題傾向について記載いたします。
出題傾向について、2022年度までは『講義で説明された問題や内容がよく出題されていた』という口コミも見受けられましたが、2023年度からは、実際に受験した感覚としては、講義から出題されている問題はありましたが、それだけでは6割も取れない印象でした。
2023年度からの新しい方式の講義(ビデオのみ)では、スライドに赤字で記載されている文字が多くありましたが、それだけ覚えてれば良いわけではありませんでした。
また講義資料として、事前に配布される過去問題(昨年分)や演習問題についても、それだけやっていれば良いわけではなく、それ以外の問題もかなり出題されていた印象でした。
筆者は、配布資料に加え、エネルギー管理士(資格試験)問題も少しやっていましたが、そこからも同様の問題が出ている傾向でした。
そのため、配布資料だけを過信せず、エネルギー管理士(資格試験)の過去問題も解いておくことをお勧めします。
修了試験の合格率
合格率は概ね6割前後と言われています。
例年、上記の合格率であり、資格試験のように正答率により必ず合格、不合格が決まるわけではありません。
【考察】エネルギー管理研修の修了試験では何点から不合格なのか。
エネルギー管理研修の修了試験の合格点は公表されておりません。
しかしながら、過去の口コミから概ねの合格点は予想できますので、考察していきます。
過去の口コミを下記にまとめます。
東京電気合格!
1週間講義も聞かずにひたすら過去問のみを
やって挑んだ自己採点結果は
1.7割
2.6割
3.7割
4.3割←なんで受かった?
落ちたと思ったけど受かってた!
修了試験、全体的には4割ぐらいの正答率だと思う。課目2は3割もないわ。
自分も合格通知来ました。
出来栄えは5から6割。良かった。
受かってたー!
1科目40%くらいしか取れていないと思ったが良かった
採点基準どうなってるんだろ
初受講で電気だけど科目Ⅳは2割ぐらいなのに受かってた
計算問題とかほとんど空欄で出したのに
他の科目も3~4割ぐらいの出来だったよ
全課目50点あるかも怪しいのに受かってた…
ほんま謎やわこの研修
熱分野
課目1 29/42 69.0%
課目2 30/42 55.6%
課目3 18/42 51.4%
課目4 29/42 49.2%
全体 106/190 55.8%
で合格でした
過去の口コミでは、4割、5割の点数でも合格した、という口コミが見られました。
稀に3割でも合格している口コミも見られましたので、資格試験のように6割取れていなくても合格する可能性はあります。
まとめ
国家資格である『エネルギー管理士』を取得する手段の一つである、
『エネルギー管理研修』について、修了試験は何点から不合格になるのか。
また研修の概要等を考察しましたが、いかがでしたでしょうか。
エネルギー管理士の資格取得する方法の一つで、資格試験は20~30%の合格率に対し、当研修は合格率が60%あるので、どうしても資格を取得したい人にはぜひ利用したい制度ですね。
研修費用は7万円と決して安くないですが、ぜひご検討下さい。